1999年6月20日(日) 『海へ行こう 〜Love Beach Love〜 』


 7月16日(金)、チェキッ娘本体4thシングルとなる『海へ行こう 〜Love Beach Love〜 』が発売になる。その歌い出しが週末のOAで行われた。

 この曲、メロディが部分的にどこかで聞いたことがあるフレーズを含んでいたが、基本的に私の好きなタイプの曲である。

 2回のOAをチェックしていて、私はいくつかのことに気づいた。

藤岡麻美さん、歌いっぱなしです

 OA用の編曲では、4小節ごとに以下のような組み合わせで歌われている。

恋して・・・全員 キミに・・・全員
電車の・・・藤岡 ずっと・・・藤岡&小林
今年買・・・藤岡&新井 待ちき・・・藤岡&矢作
オドロ・・・藤岡&上田 実物っ・・・フロント
楽しく・・・全員 足の裏・・・全員
キミが・・・全員 キミに・・・全員
恋して・・・藤岡&矢作 ココロ・・・藤岡&矢作
楽しく・・・全員 足の裏・・・全員
素肌も・・・全員 キミに・・・全員

 とにかく、藤岡麻美が休むことなく歌い続けているのがわかる。2番では休むところがあるのだろうか?

上田愛美さん、走り回っています早歩きしてます

 今回は曲中での出番が比較的少ない上田愛美。NEOちゃっきり娘とかがあるので、少々気を使われたようにも感じられるが、よくよく画面を見ると「藤岡&矢作」パートの付近で新井利佳の周りを回っているのがわかる。相当な運動量ですね。
 【訂正】・・・と思ったのですが、フロントが円を描きながら走回るところで、上田愛美だけなぜか早歩きだったのを翌週発見した。

「@M」がフロント!?

 今回の小林裕美のフロントメンバー入りはM@Mとの相関関係を示す大きな動きであると想像できるだろう。藤岡ソロ直後のユニゾンがいきなりこの2人であるところも見逃せない点である。

お目当てのメンバーを見失うな!

 さて、話題を変えて振り付けの話をしたいと思う。今回の振り付けは、とにかくうっかりしていると後ろにいるお目当てのメンバーを見失ってしまうくらい複雑で高度である。今回の曲の正式なフォーメーション(土曜日のOA)は以下の通りである。

図1 イントロ(数字はジャンプする順番)

         1     4     4     1
       【久 志】 【嶋 野】 【田 中】 【加 藤】
   1     1     2     2     1     1
 【野 崎】 【大 田】 【松 本】 【熊 切】 【 森 】 【佐々木】
         3     3     3     2
       【五十嵐】 【甲斐田】 【大 滝】 【町 田】
      2     3     4     3     2
    【上 田】 【矢 作】 【新 井】 【小 林】 【藤 岡】

 今回の振り付けは、従来の曲とは違ってフロント−バックというような単純な構成にはなっていない。
 上の図の通り、バックが3列もあり、それぞれの列で役割を変えている。また、曲内で各列の左右が頻繁に入れ替わるため、カメラワークによってお目当ての娘を見失う可能性が高いので要注意だ。
図2 マイク配置

    【久 志】    【嶋 野】 【田 中】    【加 藤】

 【野 崎】 【大 田】【松 本】 ● 【熊 切】【 森 】 【佐々木】
      ●                       ●
       【五十嵐】 【甲斐田】 【大 滝】 【町 田】
            ●           ●
    【上 田】 【矢 作】 【新 井】 【小 林】 【藤 岡】
      ○     ○     ○     ○     ○


 また、この図のように1つのマイクを挟んで左−中−右のメンバーが異なる振りをすることがあるので注目していていただきたい。

図3 ジョイント部分(別称「モーニング娘。フォーメーション」)

【久 志】       【田 中】       【加 藤】
【野 崎】       【嶋 野】       【佐々木】
【大 田】 【松 本】   ●   【熊 切】 【 森 】
  ●   【五十嵐】       【大 滝】   ●
      【甲斐田】       【町 田】
        ●           ●
【小 林】       【新 井】       【上 田】
      【矢 作】       【藤 岡】      
        ○           ○


 そして、この図のようにサビとサビの間にあるジョイント部分(矢作&藤岡)でモーニング娘。のようなフォーメーションと動きを取っている。「静かに花が散っていくような感じ」の振り付けにも注目していただきたい。

金曜日のOAで歌詞を間違えたのは誰だ!

 ところで今回の作詞も3作連続の森浩美となったが、内容的には彼女たちのイメージを考えたたいへん良い詞になっていると思う。

 ただ、肝心の歌詞なのだが、個人的には少し覚えにくいような気がする。著作権の関係でここに歌詞を載せるのは問題になるらしいので詳しく書けないが、曲中では「太陽」と「潮風」、「楽園」と「最高ッ」の箇所を混同しやすい。

 金曜日の歌い出しの時のことだが、よく聞いていると最初のサビでフロントの誰かが「キョーレツな“タ”」(正式には“潮風”)と歌ってしまっている。別に誰が間違えたということが問題なのではなく、何十回と練習している彼女たちでさえ間違えるのだから、応援するファンはもっとたいへんなのである。

今後の展開は?

 さて、このシングルの発売に先駆けて1stアルバムが発売され、翌月には早くも5thシングル(フジテレビ系アニメ主題歌)、翌々月には6thシングルの発売が予定されていると聞いているが、こんな太陽とシスコムーンを思わせるような新曲ラッシュで本当に大丈夫なのだろうか。

 もちろんこれが余計な心配であるならそれに越したことはない。1stライブのチケットが数時間で売り切れ、追加公演も決定した。雑誌やラジオ等のメディアにも少しずつ出はじめているし、プロジェクトは確実に前進している。

 ただ一つ気がかりなのは「なぜ全国展開をしないのか」ということである。もし仮に全国展開を計画しているのだとしたら「なぜこの時期に新曲ラッシュなのか」という疑問が残る。これは逆に全国展開を考えていなくても残る疑問である。客観的な情報を集めただけではプロジェクトの本当の意図はまだ見えてこないのだ。

 とにかく、ファンとしては新しい戦略を持って、彼女たちを全国レベルのアイドルにしていただきたいと願うのである。

 以上、今週のコラムでした。

1999年6月20日 BATCH



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