1999年8月29日(日) “卒業”という名の解散宣言 |
駆けめぐった解散報道
今週の火曜日、写真週刊誌に「DAIBAクシン!!の終了」を明言する記事が掲載された。ただ、その記事を読む限り“解散”という雰囲気はあまり感じられなかった。その記事にあった「新しい『チェキッ娘』のスタート」という水口プロデューサーの言葉を信じていたから・・・
次の日、1通の手紙が届いた。今月2枚出しているファンレターへのメンバーからの返事だった。そこにこんなことが書いてあった「今TVで放送されてる(?!)「ありがとう」っていう曲はチェキッ娘の最後の曲なんです。ちょっとさみしくなりますョ。でもGOODな曲なので、ぜひきいて下さい。」メンバー本人から出たこの終了宣言、さすがにこれはマスコミ報道とは違って信憑性について疑う余地はない。ただ、この返事の最後に「これからも、頑張るので応援して下さいねーっ」と書いてあったことが私にわずかな希望を与えてくれた。
しかし、そのわずかな希望も翌日の新聞記事によって見事に打ち消されてしまう。その記事は意外にも大きく扱われ、新聞タイトルは『チェキッ娘 卒業 〜11月3日お別れコンサート〜』というものであった。この記事を読む限り、解散は確定的、その後メンバーはバラバラになっていくことも確かなようだった。
ファンに対しての気遣いに欠けるMP発言
火曜日の写真週刊誌に水口プロデューサーがこんなコメントを出している。「まあ、遊ばせてもらったって感じですね(笑)。もちろん愛情はある。けど、甘やかしすぎたかな。番組は終わるけど、みんなの心の中に残る(笑)。新しい『チェキッ娘』のスタートだと思ってよ。」
雑誌というのは本当に言ったかどうかわからないようなことを書いてしまう傾向があるので、これが「雑談の中で出た言葉なのか」「脚色したものなのか」それとも「本当に公式にそう言ったのか」私には判断がつかないが、この発言、私たちファンを小馬鹿にしていないだろうか?私はたった4ヶ月だが、真剣にチェキッ娘というプロジェクトを応援してきた。私より真剣に応援しているファンのことも多く知っているし、そんなファンに対して「遊ばせてもらった」はないだろう。チェキッ娘のメンバーたちの中には放課後のクラブ活動的に楽しんでいた娘もいたかも知れないが、応援する私たちは決してお遊びにつきあったとは思っていない。
このコメントには「みんなの心の中に残る(笑)。新しい『チェキッ娘』のスタートだと思ってよ。」とあるが、なぜここで水口プロデューサーは笑っているのだろう。私たちには「とりあえず終わっちゃうけど、いい思い出にしといてよ」という無責任な発言にしか思えないのである。
そして木曜日の新聞では「1本の道を手をつないで1年間歩いてきた。これからは、別々の道を歩くけれども『チェキッ娘』という言葉で、みんなの気持ちは一つになっている」という発言をしているが、私に言わせればそんなタテマエを今さら聞きたくはない。水口プロデューサーの各紙(誌)の発言には一貫性がなく、自分の失敗をきれいな言葉でまとめようとしているだけで、反省の念が全く感じられないのである。
もしかすると水口プロデューサーの中に「ここまでやってやったのに、何でもっと応援してくれなかったんだ」そんな気持ちがファンに対してあるのではないだろうか?もしそうでないとしても、各種の発言にはファンのことを気遣った言葉がまったくと言っていいほど感じられないのである。
また卒業コンサートのサブタイトルも「泣いたモン勝ち」とあり、「いったい何が勝ちなのか!」と聞き返したいくらいである。
それでも卒業と言い張るプロジェクトの未練
冷静にプロジェクトを見ると、フジテレビは19人のタレントを一括して抱えるプロダクション的な役割を担ってきた。タレントのギャラとかスタッフの給料とか人数とか、私はそのような具体的なものを知らないのであるが、仮にこのプロジェクトにかかるコストが月間800万円だとしたら、1年で約1億円コストがかかっていることになる。そして(この辺のことはまったく無知なので確証はないが)それをスポンサーであるセガが負担するような仕組みになっているのだと思う。
このプロジェクトは当初より「1年間限定」ということだったそうである。これは「どんなに売れなくても1年間はやる」ということであって、もしブレイクしていたら期間の延長は当然あったに違いない。ただ、どう考えてもこのプロジェクトは、(ライブチケットの売れ行きという点を除く)すべての数字において結果が出ていなかった。つまり結果として売れなかったのである。だから「当初の予定通り1年で終了」というのはある意味常識的な判断である。
基本的に各記事を読む限り、チェキッ娘は11月3日のコンサートで『卒業』とされているが、なぜプロジェクトが『解散』を明言しないのかが不思議でならない。新聞記事には「今後、19人は「歌手」「女優」など、それぞれが目指す方向に向かって新たな道を進んでいく。」と書いてあり、どう考えてもこれは『解散』以外の何ものでもない。
『卒業』という言葉であいまいにしてしまうより、『解散』ということをハッキリと言っていただければファンもきちんと心の整理をつけられるはずなのである。このあいまいな結論の出し方により、まだ多くのファンが今後の行く末について混乱していることは事実である。
ブレイク寸前に終了するプロジェクトの痛み
当初より1年で終了することが決まっていたのだから仕方ないのだが、あと半年あればきっと何らかの形でブレイクしていたに違いない。プロジェクトには3期あると私は何度も申し上げてきたが、このプロジェクトが第2期で中途半端に終わってしまうことはとにかく残念としか言いようがない。
残された期間はもうあと2ヶ月である。休みを除いて実質的にあと1ヶ月で終わってしまうこのプロジェクトへの私たちの希望は、一生懸命歌い続けるメンバーの姿と笑顔だけである。
私たちは決して「お遊び」につきあっているつもりはないが、可能な限り「いい夢」を見続けていきたいと思う。
以上、今週のコラムでした。
1999年8月29日 BATCH