トピック内容表示 | |
---|---|
[1924] シャーリィについての考察- ■記事引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 魅神 -(2020/01/11(Sat) 21:21:51) □U R L/ 名前:シャーリィ・ライラ(キャラクター名:シャーリィ) 種族:デューマン 性別:女 年齢:12 戦闘クラス:サモナー×ファントム フレンドパートナー時の登録 キャラクター性:天真爛漫 特性:さびしがり屋 特殊補正:徹底防御 「わたしは楽しいことが好き。 どうせ見る夢なら、楽しくて面白いのがいいなの。 そのためにも……ねぇ、貴方も、一緒に遊ぼ?」 ***** その日、その時。 わたしは死にかけていた。 あのたくさんの黒いのに壊された街の中で。 そんなわたしを助けたのは2つの声。 「告⇒私は彼女を助けます。そうあれば、私の、そして彼の死は、無意味ではなかったと」 「……わかったわ。私はその言葉を叶えるわ」 消えゆく。薄れる。意識の中で。 わたしは確かにそんな声を聴いた。 「私は、貴女を彼女へ縁で結ぶ。私に出来ることは、そこまでで、それだけ」 「謝礼⇒十分です。私には過ぎた最期です」 それが、覚えているわたしの微かな記憶。 ――もしかしたら、"夢"の出来事だったのかもしれないけれども。 ――でも、もしそうだとしても、"悪い夢"じゃない……よね? 次の目が覚めた時。 わたしは壊れた街から出ていく小さな船の中にいた。 「よう。チビスケ、目ぇ覚めたか」 隣に居たのは、凄く目つきが悪くて、けど、凄く寂しそうな、白い髪のお兄さん。 「……貴方が助けてくれたなの?」 わたしの言葉を聞いたそのお兄さんは、面倒そうに頭を掻いた。 「成り行きでな。まぁ、気まぐれだ」 ――そして、わたしはまだ知らなかった。 ――このお兄さんが、見続けている"悪い夢"を。 ――そして、わたしの声が、このヒトにずっとずっと長く、届かないことも。 ***** 長い緑の髪が特徴的な少女。 どこか能天気な間延びした口調で喋る。 約5年前、ダーカーに襲われた街にて救助された。 その時より以前の記憶が凄く曖昧になっている。 記録では12歳。また、その時に家族を全て失ったことになっている。 本人はそのあたりを全く覚えていないのだが…… また、その時を境にフォトン適性に目覚めた、らしい。 これも本人は、それまでをあやふやにしか覚えていないため、急に目覚めたという感覚はないようだが。 そして、その時から彼女にはもうひとつ、大きな「異常」があった。 それは、彼女の中に、「もうひとつの人格」が居座っていること。 彼女が「リーシャ」と名付けたその人格は、シャーリィ自身と共生し、そして、協力的でもあった。 まるで、「シャーリィを守ることが使命である」かのように。 とはいえ、リーシャ自身も記憶はないらしく、自身を「そういう存在だ」としか認識していないようだが。 それと……彼女自身が知らない「異常」がもうひとつ。 彼女は生まれつき、ある"特異な夢"を見る。 その時を境に、それは更に"特質な夢"となった。 眠る彼女は、"夢"を渡る。 眠る彼女は、"夢"で遊ぶ。 ……それは、彼女自身知らない、とある超常の少女との絆によるもの。 そして……彼女は"悪い夢"を嫌う。 そして……彼女は"悪い夢"を憂う。 だから今日も彼女は手を差し出す。 現実でも。夢の中でも。それを楽しくするために。 「一緒に遊ぼ?」と。 ***** 「:確認⇒それで、アークスになった……と」 わたし自身の口から出るリーシャの声に、わたしは頷く。 最初はお互い慣れなかったけど、今じゃリーシャとも綺麗に会話をできる。 「うん! 他に行くアテも無かったし、なの」 「:まぁ、フォトン適正にも目覚めたとのことなので、悪くはないと思いますが……疑惑⇒本音は?」 「色んな見たことない星いけるの楽しそう!」 「:ま、ですよねー」 リーシャの呆れたような声。 相変わらず失礼なの。 リーシャはもっとわたしに優しくしてくれてもいいと思う。 ……うん、まぁ、いつも色々助けられてはいるけど。 「:忠告⇒シャーリィの基礎能力では、すぐに野垂れ死ぬのがオチです」 「ひどいなの!?」 「:私が身体サポートをするユニットを構築するので、常時装備しておくこと。いいですね?」 「うー、わかったなの」 そんなこんな言いながら。 わたしはゲートエリアへ向かう。 今日は初任務。 ワクワクドキドキだ。 「:確認⇒ところでクラスはどうしたのですか?」 「クラス? サモナーだよ!」 「:……凄く納得しました。色んな意味で」 「どういうことなの!?」 クエストカウンターでお姉さんの話を聞いて。 キャンプシップとかいうのに向かう道に光が灯った。 ――さぁ、冒険のはじまりなの! 「……うん。リーシャ! 行こうなの!」 「:勿論。付き合いますよ」 わたしのとって、この世界は最高の遊び場! さぁ、一緒に遊ぼ? |
[1925] ウィンターについての考察- ■記事引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 魅神 -(2020/01/11(Sat) 21:22:43) □U R L/ 名前:ウィンター・ガーデン(キャラクター名:ウィンター) 種族:キャスト(シップ管制統括システム) 性別:女 年齢:52 戦闘クラス:エトワール フレンドパートナー時の登録 キャラクター性:天然 特性:曇り好き 特殊補正:コンディションマスター 「私は皆さまと共に在り、皆さまを守り、皆さまを支えるのが使命です。 この身は貴方の剣となり、盾となりましょう。 だからどうか……貴方は、私を傍に置いてくれますか?」 ***** 周囲を見渡す。 相変わらずの、廃墟同然の街。 崩れた建物や、あちこちにみられる爪痕は、戦いの跡。 そこに人は誰もいない。 全ての人が、ここを去った。 ――ここは、私そのもの。 「さて、今日もお掃除を始めましょう」 言いながら、私は掃除道具を手に、唄を口ずさみながら、街を歩く。 この街は、そのほとんどが40年近くも前の姿のまま。時間を止めたように。 街のシステムはほとんど動いていない。 それもそのはず、このシップはほとんどすべての機能を眠らせている。 そうしなければ、航行もできないほどに、損耗している。 ただ、延々と航行しながら、私はこの街を直す。 少しずつだけど。それでも確かに。 「さぁ、明日こそ誰かお客様を迎えられますように」 こんな状態ではあるけれども。 最高のおもてなしが出来るように、私はこの街を維持する。 ――いつか、貴方がここを訪れる時のために。 ――いつか、貴方がここに帰ってきた時のために。 私は……この街を預かるメイドなのだから。 ***** 冬の船と呼ばれる、他に誰もいない居住シップを守るメイド姿の真っ白いキャスト。 その正体は、冬の船……正式名称ウィンター・ガーデンの管制統括システムである。 仮初の身体を構築し、そこへシステムの根幹を宿すことで、自立稼働をしている。 その冬の船は、現在彼女自身の所有物として登録されている。 何故なら、彼女以外に住人がいないから。 船は、今から約40年程度前に、ダーカーにより襲撃され、その機能の大半を失った。 同型の姉妹船は沈黙し、彼女自身の船の住民も全ての生存者が退避した。 船の防衛機構にて最後の足止めとし……相打ちののち、残されたのは解けることのない待機命令。 姉妹達がどうなったのか、住人達がどうなったのか。 その結末すら知らず、彼女は、"ただそこに在る"だけの存在へと成り下がった。 それでも彼女は待った。 船のほぼすべてをスリープさせ、最低限の航行のみを行いながら。 40年を。ただ独り。 契機は、マザーシップにおける、アークスとルーサーの激突。 その時、アークスは従来のマザーシップを失い、その管理権限の全てがシャオの移る。 故にオラクルのシステムは更新され…… ――そして、故に、彼女の待機命令が白紙となる。 "時が来た"のだと彼女は想った。 しかし、予想していた迎えるべき者は誰もおらず、もてなすべき客人も誰も居なかった。 ――スリープが解け、漸く見渡すことのできた世界には…… ――しかし、彼女の知るモノは、誰も居なかった。 ――ヒトも。船も。 彼女は理解した。 40年前のあの時。 力が及ばなかったゆえに。 ――自分は結局、置いていかれたままだったのだ、と―― ***** 「準備よしっと」 そう独り言を言いながら、私はキャンプシップに乗り込む。 余りに長く独りだったせいか、どうにも独り言が多くなった気がする。 さて、それはともかく。 これより向かうはアークスシップの一隻。 昔スプリング姉さんに教えてもらった方法で自立稼働する私は、こうして自身の船の外へも出られる。 もっとも、その間は自身の船が全てオートモードになるから、余り褒められたことでもないのだけれども。 けれども、私にはそうする理由がある。 ――私は連れていってもらえなかった。 ――でも、それなら、私が追いつけばいい。 幸い、私はこの身をフォトンで稼働させており、フォトンの装備を身にまとう。 ならばこれは、フォトンを操るアークスの方々と似た権能。 そう、私はアークスに混ざって行動することとした。 彼らは星々を駆け巡る。 ならば、そんな彼らと一緒に居れば、いつか私の知る誰かを見つけられるかもしれない。 もちろん、可能性が低いことはわかってる。 それでも私は…… ――それでも私は、きっと、探さなければならない。 ――私自身の、このココロが壊れてしまわないために。 「探索も、戦闘も、慣れないことだらけですが……頑張りますか」 身体はツクリモノであろうとも……きっと、このココロは私のもの。 「願わくば、私のココロが、貴方へと続く道と成りますように」 このココロに燻る想いと共に……きっと、"果て"などない私の旅は始まる。 ――そして、その時の私はまだ知らない。 ――この物語が、一隻の船を見つけた時、大きく動き出すことを。 『……お友達にならない?』 ――その言葉を、私はまだ知らない。 |
[1926] ナナシについての考察- ■記事引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 魅神 -(2020/01/12(Sun) 20:37:58) □U R L/ 名前:卯月紅蓮(キャラクター名:ナナシ) 種族:キャスト 性別:男 年齢:享年24(35) 戦闘クラス:ブレイバー×レンジャー フレンドパートナー時の登録 キャラクター性:勇者気質 特性:逆境好き 特殊補正:激昂 「例えば譲れない信念。例えば浪漫愛する心。例えば身勝手な渇望すらも。 全部全部、ヒトが自身を"ヒトたらしめん"ことに大事なことじゃあないか。 じゃぁ、アンタが掲げる正義は何だ? 教えちゃあくれないか?」 ***** ああ、負けた。 ああ、くそ。俺は負けたんだ。 時間を稼げた、とか。 逃がすことができたヤツも居たとか。 んなこたあ関係ない。 俺の背後には、まだ守るべきヤツがいて。 ここに戦えるヤツぁもう俺しかいなくて。 そして、俺はこうして地に倒れて、命散る寸前ときたもんだ。 これが「敗北」じゃなく、なんという? こうして俺が無様に野垂れ死んでる時にも、ダーカーどもは……街を、人を、蹂躙しているだろう。 これほど最悪な最期が、あっていいだろうか? 「力が欲しいですか?」 唐突な声。 見上げると、そこにいたのは、全身紫色の奇妙な男。 「失礼。"このまま終わりたくない"といった顔をしていたもので」 男は、口元を吊り上げながら、しかし笑っていない濁り切った目でそう言った。 「私の「実験」に付き合っていただければ、「次」を迎えられることを約束はしますが?」 あぁ、くそ。 あぁ、ちくしょう。 理解した。しちまった。 ――こいつは、悪魔だ。 ――そして、俺はその取引に乗るしかねぇ。 ***** 傾奇者の装束を纏い、頭には笠を乗せ、いつも煙管を咥えている男。 アークスシップダーカー襲来の際、ある区画の最終防衛線を守るために残った最後のひとり。 その戦いで、彼は、若干の時間と引き換えに、その命を散らした……はずだった。 そんな彼を拾ったのは、ひとりの狂科学者。 彼は、死と引き換えに、その狂科学者の「試作品」として作り替えられた。 無念のまま死ぬよりマシだと、彼はそれを受け入れた。 アークスデータ上では、彼は既に死人だった。 故に彼は「名無し」を名乗る。 次こそは勝つために。 次こそは守るために。 彼は戦場を渡り歩く。 それと……もうひとつ。 彼は、その身体のほぼすべてを機械のパーツへと置き換えられた。 故に、彼は「ヒトだった頃」の感覚を喪失した。 それは、徐々に、徐々に、彼の心を蝕む。 ――俺が好きなモノは、何だったか? ――俺が信じるモノは、何だったか? 少しずつ、確実に、ヒトとしての感性を失いながら…… それでも、ヒトとして在り続けるために。 魂在るモノへと、問いかける。 ――その掲げる正義を。 ――その愛する浪漫を。 ――その渇望する望を。 ――俺にも教えちゃくれねえか? そう、問い続ける。 ***** 「貴方は……楽しそうにしている言動とは裏腹に、随分つまらなさそうにしていますね」 同行者の少女は、俺に向かってそんなことを言った。 驚いた、とでもいえばいいのだろうか? 俺の感情がその言葉に値するかは最早わかんねーが。 いやはや、よく見ていやがる。 「気のせい、っつーことにしといてくれねえか?」 「……そうですか」 少女は引き下がりながらも…… 「それなら、私が食事をしているところを見ながら、そんな顔をしないほうがいいですよ?」 思わず、自分の顔を掴んだ。 あぁ、そうさ。 俺のこの身体はもう、飯を食うことすらできねぇ。 自分が、何を嗜好としていたのか、それすら思い出せねぇ。 「俺、そんな顔してたかねぇ?」 務めて軽い調子で俺は問う。 「……酷い顔でしたよ」 少女は重く答えた。 あぁ、そうかい。 なぁ、ところでこれは、俺は…… この飯を楽しむことすら喪失したことを嘆けばいいのか? それとも、それを嘆く心がまだあることに安堵すればいいのか? 目の前の少女を見る。 まだ、幼さすら顔に残す少女を。 なぁ、例えばこの少女に、俺は言っちまっていいのだろうか? 俺に残されてる、「確かな俺の願い」を、言っちまっていいんだろうか? ――"いつか俺がヒトでなくなった時、俺を終わらせてくれ"、なんて。 なぁ、誰か。 俺の願いを聞いてくれよ。 |
[1927] エンデについての考察- ■記事引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 魅神 -(2020/03/23(Mon) 23:53:26) □U R L/ 名前:アルカディア・エンデ(キャラクター名:エンデ) 種族:ニューマン(ハーフ) 性別:男(精神的には中性) 年齢:28 戦闘クラス:ヒーロー フレンドパートナー時の登録 キャラクター性:先輩肌 特性:小型狙い 特殊補正:復活支援 「物語は語るわ。嘘も、真実も……多くの人へ知らしめる。 その中では人は……英雄に、ヒロインに、そして或いは悪役にだって成れるわ。 だから、さぁ、貴方が演じるその役割……アタシが語ってあげるわ」 ***** 僕は中途半端だ。 ニューマンとヒューマンのハーフとして生まれた。 身体的には男だけれど、精神的には男でも女でもなく。 フォトン適正があるけれども、自由自在に操れるほどの才能はない。 頭は良くもなければ悪くもない。運動も苦手じゃないけど得意じゃない。 そんな、「何者でもない者」が……僕。 そんな僕は、そんな僕だから、何にも属せなかった。 誰とも仲よくなれなかった。 そんな僕が好んだモノは……創作物の世界。 好きな小説があった。 好きな漫画があった。 好きな映画があった。 好きなゲームがあった。 その中では僕は…… 最強の英雄になれた。 悲劇のヒロインになれた。 頭脳明晰な名探偵になれた。 スタジアムの王者になれた。 冷酷な殺人鬼になれた。 残虐な暴君になれた。 ――だから、僕は、物語が好きだ。 ある日の事。 僕の住む居住シップがダーカーに襲われた。 小規模な襲撃で、特に大きな損害もなく、大してニュースにもならなかったソレ。 その中で……僕は出会ったんだ。 「よう、大丈夫か?」 「間に合ったようで何よりだわ」 颯爽と現れ、逃げ遅れそうになった僕を助けたその集団。 それは、アークスと呼ばれる集団。 ――物語のヒーローは……現実世界に存在した。 ***** パーマのかかったロングヘアに、まるで閉じているかのような細い目が特徴の男。 背の高い帽子と、丸いレンズのサングラスがトレードマーク。 中性的なファッションを好み、女性的な口調を好んで使う。 アークスではあるが、その活動には余り積極的ではない。 どちらかといえば、他のアークスに同行するような行動をすることが多い。 その実態は、新進気鋭のマルチクリエイター。 特に小説や漫画といった物語の創作を行っている。 ニューマンではありながら、ヒューマンが半分混じっており…… 男として生まれたが、精神的にはむしろ女性寄り。 そんな、周囲からは浮く「異質」でありながら、誇れるような特徴もない。 そんな年少期の彼は、周りに馴染めず孤立していた。 そして、そんな彼は、創作物の世界の中へと閉じこもった。 そして……ある時、偶然でありながら劇的に。 彼は……「ヒーロー」と出会った。 彼は知った。 ――……自分は何者でもない。 ――……自分は何者にもなれない。 ――……けれども…… ――……「物語のヒーロー」は、ちゃんと居るじゃないか。 漸く彼は、「自分以外」に目を向けて。 そして「世界という物語」を好きになり。 それを自分なりに記し、残すため…… 剣と、ペンを、手に取った。 ***** 華麗なる衣装に身を包み、華麗なる武器をこの手に持って。 これはアタシなりの「物語への敬意」。 関わる物語へ、脇役とはいえ登場するには、これくらいの「演技」は必要じゃない。 もう言葉だって偽らない。 好みだってもう隠さない。 アタシも、「物語の中」に居るんだから。 この程度の役割は、いただくわ。 アタシは物語が好き。 そこには最強の英雄が居る。 そこには悲劇のヒロインが居る。 そこには頭脳明晰な名探偵が居る。 そこにはスタジアムの王者が居る。 そこには冷酷な殺人鬼が居る。 そこには残虐な暴君が居る。 みんな、みんな、愛してる。 だから、アタシは、見る側から、作る側へ。 もちろん、現実そのままで、っていうわけにはいかないけれども。 こんなヒーローがいたって、少し脚色して描くのは悪くないじゃない。 ――……さて……同行する"貴方"へ目を向ける。 貴方はどんなヒーローかしら? 貴方はどんな物語を描くかしら? そんな貴方をモデルに……アタシは更なる物語を描いてみせるわ。 だからお願い。 ――……存分に、魅せてちょうだい? |
[1928] レイスについての考察- ■記事引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 魅神 -(2020/03/24(Tue) 00:41:42) □U R L/ 名前:なし(キャラクター名:レイス) 種族:デューマン 性別:女 年齢:不明 戦闘クラス:ファイター×ハンター フレンドパートナー時の登録 キャラクター性:命知らず 特性:ツンデレ 特殊補正:臨戦態勢 「無駄だ。アンタが何を言おうと俺はこの任務を遂行する。 ああ、そうさ。その結果、俺が命を落とすことになろうとも、だ。 それで……俺の価値が証明されれば……十分すぎる戦果だろう?」 ***** 「何故だ……」 俺の目の前で崩れ落ちる彼女。 "外の世界"で数度か出会っただけの仲。 ましてや、さっきまでは俺が殺そうとしていた相手。 「どうしてだろ……? 死んでほしく、なかったから……かな?」 「俺は……お前を、殺そうとしたんだぞ……?」 「でも、殺されなかった、じゃない」 そう、俺は、彼女を殺せなかった。 確実に殺せる状況だった。 でも、どうしても、殺せなかった。 俺は、犯罪組織の殺し屋で。 彼女は、それに命を狙われたアークスで。 それだけの関係のはずなのに。 そして、任務を果たせず、囚われる寸前の俺を、組織は殺そうとして。 ――そんな俺を庇って、彼女は倒れた。 「それで、お前が倒れて、どうすんだよ……!」 「ホントに、ね……」 彼女を襲ったのは、組織の使う即効性の毒だ。 今この場で解除する術はなく、既に運命は決している。 ――結果。俺は生き残って。 ――結果。彼女は死ぬ。 「あ、そうか……」 彼女は微笑んで、最期に告げる。 「"何故か"って……うん、わかった」 「友達だから、だよ。きっと」 ――それが、「彼女の最期の言葉」だった。 ***** 厚いフードと外套で身を覆った小柄な女。 片目を眼帯で隠している。 出自は不明。 物心ついたころには、すでにある犯罪組織に「飼われて」いた。 そんな彼女に組織が与えた役目は、「使い捨ての殺し屋」。 ただ、任務を果たすことで有為であることを示し、捨てられずに済ます。 それが、彼女の「当たり前の世界」だった。 しかし、例えば任務に出た最中。所用で街へ出た時。 そんな時に……彼女はひとりのアークスと何度か出会った。 それは、完全に偶然な出来事ながら…… そのアークスの人当たりの良さ故に、顔を合わせれば声をかける程度の仲にはなった。 それは、彼女にとって……完全に「未知」の関係性だった。 ……そして、契機はひとつの任務。 組織にとって都合の悪い情報を握ったアークスの始末。 そして、そのアークスというのが……その「顔見知り」のアークスだった。 殺そうとした。 が……どうしても、彼女は、殺せなかった。 そして、任務を失敗し、アークス達に囚われる寸前…… 組織は、彼女を「捨てる」。 その為の必殺の一撃を…… ――その身で庇ったのは……「友達」、だった。 生き延びた彼女は……その身を翻し、アークスへと属した。 そして、彼女はアークスの中で、ただただ戦果を上げる。 「自分を助けた彼女」が、「庇った意味」の在処を証明するために。 ――戦うということ、それ以外にそのやり方を知らないから。 ***** 目の前には、モノアイセンサーで目を隠した男。 そいつは「アークス特別管理官」などと名乗った。 「本来ならば、キミは罪人として扱うべきなのだがな」 「だろうな……で、結局俺をどうするんだ?」 俺はその言葉に頷きつつ……訊き返す。 「なに、取引をしたいだけだ」 その言葉で、俺は凡その意図を察した。 つまりは、一種の司法取引のようなもの。 そして、俺が差し出せるものといえば…… 「……要求は何だ?」 凡そわかっていながら、俺は訊く。 これは、俺にとっても、最も都合がよい展開だ。 「話が早いな」 男は少しだけ口元を吊り上げた。 「キミは例の組織に強制されていただけだと理解した。故に、その罪は問わないことを提案する」 ――さて、俺は、俺の価値をできるだけ高く押し売らなければならない。 「代わり、その力をアークスの……更に言えば私の元で振るいたまえ」 思った通りの要求に、俺は笑いそうになるのを堪える。 「要は、所属が変わるだけで、今まで通りのことをしろということだな」 「任務内容は、純粋な"殺し"ではなくなるがね」 ――ここから、俺は、俺の価値を証明し続けなければならない。 少し、敢えて沈黙を置いてから……俺は頷く。 「いいだろう。乗った」 「取引成立だな」 男が手を差し出した。 それが、「握手」を求めているのだと理解するのに、少し時間がかかった。 漸く俺が手を握り返すと、男がふと口にする。 「そういえば、名を聞いていなかったな」 名前…… 俺には名前がない。 これまでは、その場その場で偽名を名乗ってきた。 "無い"と答えようとしたところで……ふと。 ――思い浮かんだのは、「彼女の名」。 レインリリー・ステイシア。 その名を、少しだけ借りる。 「……レイスだ」 咄嗟に出たのは、そんな名だった。 レインの名をほんの少しだけ借りつつ。 そして、死に損なった亡霊である自分に、お似合いな名。 ――俺は、この名で証明する。 ――彼女がその命で生かした俺に、価値が確かにあるということを。 ――彼女の死に、意味はあったということを。 |
[前のトピック内容5件] | [次のトピック内容5件] |