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 【MEIFOR・メイフォア】

 

ハンターズには理由がある。戦う理由がある。理屈がある。信念がある。
そして勇気を携えて自分の為に前に進む。
傷つき、時には命を落とすことになろうとも彼らは進む。

メイフォアもその一人。
一人で戦う一人のフォース。手には銃。体には資質。魂には意志を。
本当はひとりは嫌。けれど気持ちを言葉で表現できるほどの大人な
わけじゃあない。
寂しさに魂震わせる少女。わずか10歳の心。
そんな彼女にも彼らは話しかけてくれた。
SHIP6、ROOM11。彼らは・・・
『RPハンターズ』

<入隊!>

心地よさげな電気音と共にドアが開く。そうしてカウンターには受付の女性が涼やかな笑顔を
浮かべ、新しいハンターを迎える。
「いらっしゃいメイちゃん」
会うのは3度目。1度目はハンターズライセンスの申請。2度目はセクションIDのバッジの受け渡し。フレームやらアーマー等への装着義務のあるアレだ。ちなみに彼女の場合は青を基調にした、
<BLUEFULL・ブルーフル>となった。規則として、これがないとハンターズとして活動できない
よう決められている・・・らしい。
「書類は持ってきてくれたかな?」
「・・・はい」
今回の来訪はこの申請のためだ。
仲間を組むことやコミュニケーションが億劫な場合は、ハンターズ募集の広告を打つことができる。
その際レベルを合わせる、もしくは強いハンターズのサポートをつける場合があるので、データの
提出が義務付けられている。ここでいう書類は履歴書のようなものだ。実際は紙では無くデータ
ディスクを提出するのだが。
かちっ
パソコンのデータ読み出し用スロットにディスクを挿し込む。自動的に読み出されディスプレイに
表示されていくデータ。
「・・・変わった経歴ね・・・ずいぶん成長しているマグ・・・それと初期申請装備は・・・
『スピリットレイガン』!?」
受付の女性はメイフォアを見る。
惑星ラグオルへは、はじめて降りるハズだ・・・なのに装備が強力すぎる。
スピリットレイガンはハンドガンでも上位クラスの武器。そこそこ経験を積んだハンターやレンジャー
が装備しているならまだしも、彼女はフォース。いくらニューマンでも経験なしにこんな強力な武器は
使えないはずだ。それに年齢は10歳ときている。
「・・・・」
無表情。
・・・わけありのハンターズは多々いる。けれど身内はおらず、クエスト未参加で経験ほぼ無し。
そして強力な火器に、低年齢の上になぜか修得している多数のテクニック。
不審な点が多過ぎる。
「・・・・」
無表情。
微妙に困った顔を浮かべるメイフォア。
その視線の先の当の本人も困っているのだが・・・。そんな折ディスプレイの端にその理由が書いて
あるのを見付けた。
「・・・『備考:パイオニア1搭乗、扶養者のハンター捜索のため』」
無意識に読み上げてしまう彼女。プライバシー上、気を払う必要があるのだが思わず読み上げて
しまう。だが、それである程度は理解できた。
「・・・気をつけてね。惑星ラグオルには凶暴な原生生物が徘徊しているらしいから・・・あ、あとこれ
募集掲示板のアドレスね」
「ありがとう・・・」
メイフォアは馴れない笑顔を無理やり浮かべてから、ハンターズギルドを後にした。

7年。パイオニア計画の施行から過ぎた年月。優秀な技術者と軍人に高品質の純正フォトン、魔石
を使用した武器を満載して旅立った『パイオニア1』。それらの遺産というべきか、残したものという
べきか。それらが今目の前に広がっている。
幼い瞳に映っている。
「『テラフォーミング技術』・・・」
誰にも教わったわけでもない単語のはず。けれど彼女の頭脳にはそれらの知識が息づいている。
母星のかつて『豊か』だった緑を再現したのだろうか。
胸の奥がじんとする。
感慨新たに、メイフォアはセントラルドームを目指していた。
ひとりぽっち。
「子供と組めるか」
そういうことである。
彼女自身そうなることは読めていた。ただ実際言われると少々こたえる。
思い出す。温かい記憶を。ただ今は安全なシティではない。それは命取りになる。
背後から一撃。
「・・・・!?」
派手に吹っ飛ぶメイフォア。ソリッドフレームが少し軋んだ。
「う・・・」
起き上がろうとするところに炎が直撃する。
「・・・・!」
インビジブルガードを装着していたのと、ユニットにレジスト/フレイムをつけていたのが幸いし、
致命傷はなんとか回避できた。
「この攻撃パターンは・・・?」
ブーマやウルフ、ラッピーとは違う。はじめて出会うそれはメイフォアの何倍もの大きさ。怪力、炎。
「『ギバータ!』」
炎には氷。これは常識だ。
「グオオオオ・・・」うめき声。
しかし仕留めるにはまだ足りない。
「・・・うう」
強烈な痛みに身体は言う事を聞いてくれない。もう一度テクニックを当てる自信は無い。
震える手でレイガンをまさぐる。エレメントが付加された、あの人の残した武器。
「・・・・」
それを構える両手は今にも力尽きそうに震え。
ただ生への渇望が引き金を引かせる。それは本能にも思えた。
『戦うためにお前は作られたのだ』
ドカッ
フォトンが銃身から吐き出されターゲットへ飛んで行く。
銃の反動に吹き飛ぶメイフォア。小さい身体は区画を仕切るゲートへと叩きつけられた。
ばきばき
ヒビの入った全身の骨が数本派手に折れた。
ズズ・・・ン
怪物も頭の吹き飛んだ状態でウロウロしていたが、やがて轟音を響かせて崩れ落ちた。
「・・・オ・・ケユ・・・・キ・・・・・・」
その呟きは誰に聞かれるでもなく聞かせるでもなく。
メイフォアは力尽き倒れた。

夢を見ている。
「ハンタ・・・だ・・・」
何か聞こえる。
「このま・・・死ん・・・わな・・・」
女性の声。
でももう聞き取れない。

会話は続く。
「フン・・・一人でのこのこ降りてくるからだ」
「そんな・・・」
「でもまあ・・・テレパイプが一本余っていたような・・・気がせんでもない」
「素直じゃないね・・・この子ウロウロしてた子じゃない?ほら掲示板で」
「ああ、ちょっとだけ中を覗いてどこか行ったヤツか・・・一人で降りてるトコだとやっぱり
よそでも無理だったみたいだな・・・骨はけっこう折れてるが、内臓に損傷はないようだ」
「よかったぁ・・・」
「勝手に死なれちゃ夢見が悪いしな・・・うちのチームで面倒見てやるか」

私は今『RPハンターズ』に所属している。あの時助けてくれた人達がそのチームにいると
聞いたから。そこは温かい。温もりを感じる。
ラグオルは危険に満ちている。
私はもっと強くなる。助けるため。生きるため。

もう一度あなたと出会うまで。



勝手な一人よがりのSSで申し訳無いです。でもこういう路線とか好きなんでどんどん書いて勝手に送らせていただきまーす。みなさん、今度いっしょに冒険してくださーい!

補足:初期装備はOKEYUKI(ヒューマー)が残した武器なので強いです。いきなりスピリット
レイガン+15だし。ソリッドフレームS3にエルフアーム2とレジストフレイムが差さってたりしますし。
マグもL100以上。なるたけ装備もシナリオに反映させたかったのでこんな展開になってしまい
ました。RPハンターズ入隊はこんなカンジということで。テラフォーミングは攻略本に載っていたのを
参考にしました。最後がうまくオチてないですけどかっこいい終わり方がベストじゃないと思ったので
こうしました。
なんか言い訳くさいですが許してください(泣)。

オケユキでした!

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