「宇宙船かりゆし号の悲劇」というのが、 西平安名崎に軸だけ残された風車を眺めていたときに、ふと浮かんだ物語のタイトル。
こんな話だ。
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宇宙船かりゆし号は、出発の時を静かに待っていた。
人類の長年の夢であった他星への移住を実現する、大きな期待をかけられた船だった。
すでに最終点検をクリアし、燃料も積み込み、 あとは期待で胸をいっぱいにした人々が乗り込むのを待つばかりであった。
そんな人々の夢を乗せたかりゆし号は、それ自体どことなく誇らしげに輝いていた。
しかし人々が他星への移住計画を本格的に進める直接の原因となった、 新種の高い感染力を持つウィルスはかつてないスピードで繁殖し、 すでに宇宙船に乗り込むはずの誰ひとり、生き残ってはいなかった。
宇宙船かりゆし号はそんなことは知る由もなく、 ただ静かに出発の時を待っていた。
一体何故、風車の軸が宇宙船に見えたのか。
しかも何故、直観的に、こんな殺伐としたストーリーが浮かんだのかはわからない。
ただ、本当に瞬間的にそういう物語が浮かんできて、 それが強い印象でへむれんの中に残った。
だから、ここで一応紹介することにした。
こんな経験は、今回の旅ではこの時1回きり。
というわけで、また旅行記に戻ります。
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