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[1897] ムラサキについての考察- ■記事引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 魅神 -(2016/12/30(Fri) 23:56:31) □U R L/ 名前:ミサガ・D・ムラサキ(キャラクター名:ムラサキ) 種族:デューマン 性別:男 年齢:?? 戦闘クラス:テクター×サモナー フレンドパートナー時の登録 キャラクター性:理知的 特性:スロースターター 特殊補正:徹底防御 「……「全知全能」? ……「完全無欠」? あぁ……私、知ってますよ、それ。 自らの理想にすら至ることを諦めた愚物どもの言い訳の事ですよね?」 ***** ああ……つまらない。 見つけた時は、面白い玩具と思ったのですがね。 システムの「正体」を知った途端、興ざめですよ。 World is Mineとかいいましたか? このクソシステムは。 これを作った学者とやらが愚物だったのか、それともこれが欠陥品故か。 ――「進化の頂」とか、実にくだらない。 さて、ではこの組織にももう用はありませんね。 ……では、私はこれにて。 ***** パピヨンマスクで顔を隠した道化のような姿の男。 隙間から除く瞳は、ハイライト無く狂気に濁っている。 かつて第四研究所という組織に所属していた研究者。 ある統括システムの元にあったその組織を、実質取り仕切り組織を密かに大きくしていった人物でもある。 その興味は「生物を含めた"存在事象"の進化」について。 第四研究所を締める統括システムとは、それ故に互いを利用しあう関係にあった。 しかし、ある時突然、組織ごとその統括システムを見切り、フリーとなる。 詳細は不明だが、その後統括システムとは敵対関係にある模様。 現在の所属はアークスだが、どうやら行動範囲を広げるための所属のようだ。 情報の少ない人物であるが……彼を知る者は告げる。 ――あの男に気を許すな、と。 彼は「善」にも「悪」にも、興味はない。 ただただ、自身の興味のままに行動する。 故に、敵にも味方にも成り得る、放置するには危険な人物である。 ***** 目の前の緑髪の少女。 えーっと、そう。確かヴァネッサとかいいましたね。 「それで、何でしょうか?」 別に興味はないですが、まぁ、返事くらいはしてあげましょうか。 「……"何故"、ですか?」 ……これはまた、つまらない質問が来ましたね。 いつも狂った笑いを浮かべる娘と思っていましたが……さて、怒りの感情も"許されて"いたのですね。 まぁ、この娘も、思えばあのクソシステムの犠牲者に過ぎず、哀れとは思いますが……それだけですね。 「本当の意味で「仮」とはいえ、研究を生業にする者が、その疑問を他人に委ねますか?」 つまらない。ああ、本当につまらない。 「そも、私があのクソシステムの妨害をする理由など、ひとつしかないでしょうに」 そう、これは言わずと知れたこと。 おっと失礼、顔が嘲笑に歪むのを止められませんね。 「世界を終焉に向かわせる行いなど、愚の骨頂」 ――……そう、何故なら…… 「世界は、普遍にして最高の玩具じゃありませんか!」 ああ、真理とは得られないからこそ真理。 回答には疑問が含まれ、その疑問の回答にもまた然り。 全知も全能も。 完璧も完全も。 それ故に、欠陥でしかないというのに。 ――……「進化の頂」? ――……それは「終焉(デッドエンド)」ですよ? そんなこともわからないのですか? 全知全能(World is Mine)さん。 |
[1898] ホムラについての考察- ■記事引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 魅神 -(2016/12/30(Fri) 23:52:53) □U R L/ 名前:睦月焔(キャラクター名:ホムラ 名乗りは「ブレイズ」) 種族:デューマン? 性別:女 年齢:25 戦闘クラス:ブレイバー×ハンター フレンドパートナー時の登録 キャラクター性:リーダーシップ 特性:小型狙い 特殊補正:キャスト好き 「さて、この戦場は知っている……"かつて"経験したはずだ。 あぁ……ところで、"今回は"キミは敵か? 味方か? まぁ、いずれにしろ……【世界】よ、この戦、何度でも受けて立つ!」 ***** 目の前には立つは、まるで魔女のような姿の少女。 人工ダーク・ファルス……名は、【赫目(スカーレット)】だったか? 彼女の瞳にはもう、意志も理性も認められない。 ……或いは、私が彼女にもっと前から気付いていれば、彼女は彼女のままで居られただろうか? 「……否」 もし、などという言葉は後悔の中にしか存在しない。 それを想うのは……少なくとも、今ではない。 私は刀の柄に手を置く。 彼女が右手を翳し、その手に炎が宿る。 ……だが、遅い。 それは、既に私の間合いだ。 その程度の炎で、この焔を飲み込めると思うな!! ――……次の瞬間、引き抜く刃で彼女の首を刎ねる。 ――……彼女は、静かに、幽かに、微笑んだ。 【この瞬間が、私の自覚した最初の世界の反転】 【次の瞬間、私は、私でありながら私で無くなった】 「……マスター?」 聞こえたのは、私を呼ぶイナリの声。 ……ここは、私の屋敷か。 いや、それはどうでもいい……いやいや、どうでもよくないが、それ以上に無視できない事実。 「…………!?!?」 鏡に写る、驚いたような、私の間抜け面。 その額。 【この世界軸では、私は人間(ヒューマン)では無かった】 【デューマンなる、未知の種族がそこには居た】 ――……この日、私は気付く。 ――……私の過去は、いつかどこかで…… ――……誰かに、面白半分で何度も歪められていたことに…… ***** 炎のように赤い髪が特徴の女性。 居合による戦闘を得意とする。 かつてチーム「ホムラと愉快な仲間たち」を率いていた。 【とある世界軸】で、カボチャ頭のダーク・ファルスと対峙した時から悲劇が始まる。 いくつもの物語の改変により、彼女の過去は書き換えられ、彼女は彼女ではなくなった。 不意に【いくつもの世界軸】を繰り返していた自身に彼女は気付く。 そして、その繰り返しの中、必ず姿を現すカボチャ頭の姿に。 敵は見定めた。 目的はこの周回からの離脱。 いつか「自分自身」へと帰る為、彼女は戦を繰り返す。 起こるはずだった悲劇を止められた時もあった。 起きないはずだった戦が起きた時もあった。 ある時敵だった者は、ある時味方だった。 【そして、其の度に、世界はどこかで反転する】 【其の度に、彼女は彼女で無くなった】 それでも、例え世界がいくつに分岐/分離しようとも。 彼女はその全ての戦を受けて立つ。 唯一つだろうとも、あの怨敵を討つ道が、何処かに在るというならば。 ***** そっと、その高台より、そこにあっただろう戦場を見下ろした。 崩れ落ちるダーク・アグラニ。 それと対峙した幾人かのアークス。 ――その中に、あの魔女姿の少女を見つけた。 彼女が、私を敵として追っていることは知っている。 けれども、【この世界軸】において、彼女が生きていることは確かだ。 ――【赫目】などという存在は、【この世界軸】には存在しない。 ふと。思う。 この繰り返される改変に、もし、あの悲劇より前に気付けたならば。 私の仲間たちは、今でも私の横に居ただろうか? 「……否」 そっと頭を振る。 結局は、あの事件があったからこそ、私はあのカボチャ頭と対峙することへと続く。 この繰り返される物語の改変は、私の為のものではない。 ならば、この仮定は、結局……矢張り結局、在り得ないのだ。 同じように、何度繰り返そうとも救えないものだっていくつもある。 けれども……【いくつもの世界軸】を知る私は……どうしても思ってしまう。 「もし、"次"があるならば……」 ――私は、"キミ"を救うことは、出来るだろうか? |
[1899] カエデについての考察- ■記事引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 魅神 -(2016/12/30(Fri) 23:53:36) □U R L/ 名前:文月花楓(キャラクター名:カエデ) 種族:人工生命 性別:男 年齢:14 戦闘クラス:テクター×バウンサー フレンドパートナー時の登録 キャラクター性:天真爛漫 特性:さびしがり屋 特殊補正:コンディションマスター 「正義? 信念? ま、オイラにゃ関係ないね。 今日の飯と寝床、そっちのほうが大事さ。 ……けどな、一応許せねぇモノもあるんだよ……覚悟しな!」 ***** 振り返らず走る。 俺の手を引くのはひとりのおっさん。 確か、フヅキ博士……だったか? 思えばおかしなおっさんだった。 ただの実験体に過ぎない俺に、親しげに話しかけてきたりとか。 あの第四研究所という中で、酷く浮いてるヤツだった。 そんなおっさんが、俺の手を引き、第四研究所を後に走ってる。 「……大丈夫、もう、大丈夫だ……!」 そんなことを、言いながら。 なぁ……何が、「大丈夫」なんだ? ただひとつ確かなのは…… ――……この日、俺は「実験体42号」では無くなった。 ***** 猫のような耳と尻尾を持つ、黒髪の少年。 その正体は、第四研究所という組織により造られた42番目の人工生命。 悪意により創られた彼は、善意により解き放たれた。 文月博士という、研究所の中でも良心を持つ男により、彼は"救出"された。 その後、文月博士が親代わりとなり、"ヒト"として、心を教えられた。 しかし、そんな善意を引き裂いたのも、また悪意。 第四研究所の刺客が、文月博士の命を奪う。 独りとなった彼は、独りでオラクルを彷徨う。 飯と寝床のための小金を得る為、アークスとなり荒事に身を置きながら。 そして、彼は知っている。 人工生命である自分は、命として不完全であり、長くは生きられないことを。 残りどれだけ命が残っているかは知らないが、残る命、好き勝手に生きることを彼は自分に決める。 ただひとつ。 自分のような酷い存在を造り出したモノを。 文月博士の説いた善意を引き裂いたモノを。 "悪意"という存在を、彼は決して許さない。 唯一それだけが、彼が自分に決めた絶対ルール。 ***** オイラにとって、そこは自分の家だった。 オイラにとって、ソイツは父親だった。 それが、目の前で壊れている。 それが、目の前で倒れている。 そして、もう一人。 黒衣の男。悪意の男。 その、明確なオイラの敵に、オイラは刃を突き立てた。 「かは……ッ! 流石だ……ッ! 流石「成功品」の一体……!」 そんなことを言いながら、その男は事切れた。 ……さて、何も無くなった。 ――……俺に過去は、無い。 "あの日"、「俺」は「俺」じゃなくなったから。 ――……オイラに未来は、無い。 "近い時"、「オイラ」は「オイラ」として消えて無くなるだろう。 なら、"今"は? 元から何も持たず、これから得られるモノも無いだろう、そして今全て失った。 ――……つまり、"オイラ"に存在の意味も、価値も、在りはしない。 ――……いや、きっと最初から無かったのだろう。 ――……そして、これから先も、きっと無いのだろう。 それなら、「俺」は、「オイラ」は、自分のためだけにある。 自分のためだけに、在ろうと思う。 今決めた。そう決めた。 「……世話んなったな、親父……」 オイラは親父の亡骸に小さく礼を取る。 そのまま、街へと向けて踵を返す。 ――……とりあえず今日は、何をしようか。 刹那の享楽と、胸を抉る虚無感と、幽かに燻る怒りと共に。 オイラは歩く。独り。 |
[1900] カトレアについての考察- ■記事引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 魅神 -(2016/12/30(Fri) 23:54:21) □U R L/ 名前:カトレア(キャラクター名:カトレア) 種族:キャスト 性別:女 年齢:3 戦闘クラス:ハンター×ファイター フレンドパートナー時の登録 キャラクター性:勇者気質 特性:晴れ好き 特殊補正:コンディションマスター 「戦う事しか知らない私は、戦う事で未来を紡ぎましょう。 けど、私の中に遺された"彼女"の願いの為にも…… いつかきっと、カスミソウ(幸せ)の花を、この手の中に……」 ***** 最初に目が覚めた時、目の前に居たその男は私に言いました。 「まずは言っておこう。君は"失敗作"だ」 私は自分を確かめます。 名前は、無し。 スペックは、低め。 ブースターで補えば戦闘には耐えられるでしょうか。 男は更に続けました。 「君の所属はアークスだ。しかし我々は君に何の期待もしていない」 ……完全に"創られた"ばかりである私は、起動した今が生誕なのでしょう。 私はそれを自然と理解できています。 そして……私が、"何から"創られたのかも。 ――……私の身体は、本来は、私ではない"誰か"のもの。 ――……死んだはずの"彼女"に、"私"という異物を詰められて創られた人形。 私には、私ではない"彼女"の遺したと思われる、擦り切れた幽かな記憶が存在します。 それは、ほとんどただの幻のようで。ほとんどただの夢のようで。 ――……それでも、それは、"彼女"が辿ったはずの確かな日々。 ――……それでも、それは、"彼女"が辿ったはずの確かな陽々。 男は更に続けました。 「故に……君が何をしようと、何を成そうと、君の自由だ」 私は……起き上がりました。 この「自由」は"祝福"か、それとも"呪詛"か。 まずは、名乗ることから始めましょう。 ――……"彼女"、サクラ(優美)の名の恥じぬように。 ――……"私"の名は、カトレア(優美)。 どうかこの手がいつか……"彼女"の想いを辿り…… あの日に届きますように。 あの陽に届きますように。 ***** 深い赤色の髪と、桜色のボディを持つキャスト。 ある少女の遺体をベースに創られた人工生命。 ボディを補う武装パーツを解除した際には、本来の少女に近い面影を見せる。 本来は、フォトン適正が確認されたその少女への蘇生措置であった。 しかし、起動した彼女には、元の少女の命は既にそこに篭ってはいなかった。 ――……そして、故に、彼女は「何者でもない者」として、生を受けた。 彼女が生まれ持ったモノはいくつか。 アークスとしての戦闘能力。 これは自らを勝ち取る為に使うこととした。 何者でもないが故の自由。 しかしそれは目的すら無いという束縛でもあった。 それと……彼女の元となった"彼女"が残した、幽かな記憶。 何の変哲もない退屈な学校生活。 腐れ縁の幼馴染の男の子と、その親友の姿。 ありふれた日常。 "彼女"のそんな日常は、ダーカー襲来によりあっけなく引き裂かれた。 当たり前だった暖かい日々は、あっさりと理不尽に蹂躙された。 ――……そして、"彼女"は最期に、"あの日々"に戻ることを願った。 ならば、彼女は想う。 "彼女"が残したこの想いに、自分は何を報いることが出来るのだろう。 ***** 場所は惑星リリーパ。採掘基地。 背後の煙突からは、ダーク・ファルスの力と思われる黒い煙が天を衝くのが見えます。 周囲は、限りなく、黒。 全ては点。ダーカーという点により囲まれ、全てが黒く在ります。 味方は、私を含め、たった12人。 これより、この戦力でこの地を守らなければなりません。 「……っていうか、これ無茶ぶりだし。逃げてもよくね?」 隣にいる、全身白と黒が印象的なデューマンの男がそう呟きました。 状況はまさに"絶望"。彼の気持ちも分からなくはありません。 「しかし、逃げることはできません。」 私は彼に答えます。 我々の敗北は、破滅を意味するかもしれませんから。 「いやいや、けど無理な時は無理じゃん?」 彼のどこか諦観を秘めた瞳に……それでも私は決意で答えます。 「それでも、諦めるのは……最後で、最期で、いいですから」 正直、私だって、怖いものは怖いです。 けれど……"彼女"は、最後まで、最期まで、願っていたのですから。 ――……だからどうか、エーデルワイス(勇気)の花を、この手の中に。 「では、一番槍……参ります!」 私は、右手に槍を握り……迫る敵へ向かい、駆けだします。 絶望を、理不尽を、この手の槍で、貫く為に。 ――……だから、"いつか"。 ――……だから、"誰か"。 私に、笑いかけてくれますよね? ……あの日のように。 ……あの陽のように。 |
[1901] セラについての考察- ■記事引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 魅神 -(2020/01/11(Sat) 21:20:56) □U R L/ 名前:セリス・セラティナ・セレスティア(キャラクター名:セラ) 種族:デューマン 性別:男 年齢:25 戦闘クラス:バウンサー×ファントム フレンドパートナー時の登録 キャラクター性:命知らず 特性:スロースターター 特殊補正:コンディションマスター 「お前さん、何焦ってんだか急いでんだか知らないが…… 明日でいいことは明日やる、程度でいんじゃね? あんま気張り過ぎてると……俺みたいになるぜ?」 ***** 目の前の街には、既に無数のダーカー。 住民の避難は済んでいるのかどうか……ま、俺には関係ねぇか。 他のアークスの姿はまだ見当たらない。 警報を聞きすぐ飛んできて正解だった。 ――……アイツらは、俺の獲物だ。 感情の制御なんざする気もねぇが、笑みが零れるのが抑えきれねぇ。 さぁ、今日も、殺して、殺して、殺して、殺して、殺し尽くしてやる! キャンプシップより、俺は一人降下する。 仲間なんざ要らない。横取りなんざ許すものか。 早速何匹かのダーカーが俺を見つけ寄ってくる。 俺はそれを左右二本の剣で斬り伏せる。 ――……斬って、斬って、斬って、斬って、斬り刻む。 知性なぞ無いだろうダーカーに、それでも俺は問いかける。 「こんなもんじゃねぇだろ!? もっと抵抗しろ! もっと楽しませろ!」 俺の叫びに呼応するように、次々とダーカーが押し寄せる。 「中身、盛大にぶち撒けな!!」 1匹斬り、2匹突き殺す。 「愉快な断末魔、聴かせろよ!!」 1匹フォトンブレードで蜂の巣に。 「存在した事を後悔しやがれ!!」 目の前の大型を、微塵斬りに。 今日、ここに襲来したことが運の尽きだ。 生かして返すなど、在り得はしない。 ――……貴様らは、彼女の仇だ! ***** 白い肌に、白い髪のデューマンの男。 服装も白と黒が基調であり、全体にモノトーンの印象を受ける。 ……その髪の先端は、いつからか少しずつ黒く染まり始めている。 昔はごく普通の何の特筆する事もないアークスだった。 が、ある時、恋人をダーカーに殺されてから、彼は豹変した。 自らの命すら顧みず、ただただダーカーを殺し尽くす日々。 いつからか、その殺戮と闘争に愉悦すら覚え始めていた。 アークス側ですら、彼を危険人物として監視していた程である。 ある時、ある惑星で発生した大量のダーカーに対し出撃。 彼はそれを殺し尽くそうと一人その惑星に降り立った。 丁度そのタイミングで発生したアークスシップへのダーカー襲来も無視して。 警報に帰還することもなく、彼はダーカーとの闘争を楽しんでいた。 ――……襲われていたのは、彼の妹の住むシップだった。 ――……彼女が死んだと知ったのは、全てが終わってからだった。 全て失ったと思っていたが、この時、彼は本当に全てを失った。 仇を討とうと戦ってきた。 しかし、実質何も成してはいなかった。 目先のモノだけ追っていたら、本当に何も無くなった。 戦う理由も、意志も、何もかも粉々になった。 だから彼は、ただ流されて生きることにした。 行き場の無い殺意と、やり場の無い後悔を、ただ秘めながら。 ***** 場所は惑星リリーパ。採掘基地。 背後の煙突からは、ダーク・ファルスの力と思われる黒い煙が天を衝くのが見える。 周囲は、限りなく、黒。 全ては点。ダーカーという点により囲まれ、全てが黒く在る。 味方は、俺を含め、たった12人。 この僅かな人数で、あの数のダーカーを捌かなければいかんらしい。 正直無茶だと俺は思う。 ひとりの手で救えるものなんざ、成せることなんざ、ほんの一欠けらだ。 それが12倍されたところで、結局たかが知れている。 なら、成せないことは諦めて、成せることだけすればいんじゃね? それが今の俺の考え……戦う意志すら消え失せた、俺の偽らざる本音だ。 けれど、もう戦端は拓かれた。 正面には、敵へ突撃する桜色のパーツの女キャスト。 ……正直、バカが付くほど真面目すぎるじゃん? 嫌いじゃないが……あんまり関わりたくはない。 ……が、それも手遅れだ。もう関わっちまった。 ――……仕方なし。 俺も彼女に続く。二本の剣を引き抜きながら。 駆け抜け、目の前のダーカー達をひたすらに屠る。 あぁ、この感覚、結構久しぶりかもな。 「……言葉とは裏腹に、結構お強いのですね?」 さっきの女キャストがふと声をかけてきた。 お互い、戦う事はやめないながら、会話を交わす。 「……俺とか雑魚だし。ここぞという時に限って何も出来ない俺とか、最弱じゃん?」 そう、結局俺は何も出来なかったし、何も成せなかった。 なら、そんな俺には「強さ」なんざ、これっぽっちも無いものだ。 ま、けどさ、やる時はやるよ? ――……例えば、俺みたいになりそうなヤツを止める時とか、さ。 |
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