実はへむれん、イムギャーまで来れば泊まる場所の目算があった。
ペンション うみのとなりは、へむれんがまだ宮古に住む前、 旅行で訪れるときに宿泊候補となったところなのだ。
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当時は結局、へむれんの行きたいところが集中している平良から遠いという理由で泊まらなかったが、 名前だけは覚えていたのだ。
しかしへむれんの記憶はいい加減で、意外とイムギャーから離れていたのでちょっと慌てた。
イムギャーを過ぎればすぐ、と思っていたのだが、それはあくまで車の感覚だった。
なのでこの看板(?)が見えたときは心底ほっとした。
さすがにこの時期満室はないだろうとは思ったものの、やっぱり不安。 恐る恐る覗き込んで「あのぉ・・・今から泊まれますか?」ときくと、 女将さんらしい女性が出てきた。
何故か女将さん、ちょっとおろおろしている。
「あ、はい、ええ、泊まれますけど、ちょっとお部屋を片付けないといけないんで、 お待ちいただけますか?」
「あ、はい」ひとまず安心。自転車を寄せなおして鍵をかける。
戻ってくると「あ、それよりまずお部屋で休まれますか?片付けてないというか、 お布団がまだなんで、後で用意しに行きますけど」
へむれんとにかく疲れていたので、「じゃあそうさせてもらいます」と言って鍵を受け取る。
「それとお食事はどうします?」「あ」
そういえば今日家を出るときに玉子焼きを食べたきり、 お茶とか水しか飲んでいなかったのだ。
イムギャーを通過するとき既に相当腹が減っていたので、これは助かった。 何しろ周囲に食べ物を売っている店・・・というか店そのものが全然なかったのだ。
「あ、間に合うならいただきます」
「あ、それならお食事の間にお布団用意しますね」「はい〜」
やたら頭に「あ、」が付く(笑)。
部屋には宮古の魚の名前らしき札がついていて、 へむれんが入ったのは「イラブチャー」という角部屋だった。
入ってみると、古いけどこざっぱりして綺麗なお部屋。 まぁ今までへむれんが宿泊先について不平をもらしたことなど一度もないのだが。
ずっと背負っていたリュックを下ろして、畳に座ると足がビキビキ言っていた。 普段ろくに動かしていないものをここまで酷使したんだもんなぁ・・・。
ベランダから海が見えるようだが、もういい加減日没だったのであんまりよく見えない。 ガラスにものすごい水しぶきの跡がある。雨が降ったわけではないから、 潮がここまで飛んでくるのだろう。こりゃ手入れが大変そうだ。
少し休んでから、下に降りて食事。魚中心の家庭料理。うまかった。
まぁ今までへむれんがよそ様の食事について不平をもらしたことなどほとんどないのだが。
食事のときに、女将さんと少し雑談。
この旅行中ずっとそうだったのだが、へむれんが実は宮古に住んでいると言うと例外なく 驚いた様子を見せた。この女将さんも。なんなんだろう?
県外から宮古島に移住する人は、すでに宮古の人口の1割近くにのぼる。 この辺りだってナイチャー(県外=内地の人をこう呼びます)は珍しくないはずなんだが・・・。
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